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マイペースな電子音楽制作者による長文サイト

野望記#1

2月中盤の日曜日に、母校の専門学校のサウンド分野で卒業発表があるということで行ってきた。
主な内容は学園祭の時期に行われたイベントの再演映像や、音楽と映像を合わせたミュージックビデオ的作品、地方局でよくあるような緩いバラエティ番組的な作品、後はDJイベントであった。
このうちバラエティ番組とDJは僕が6-7年前に在学時で授業でも取り組んだことがあったが、その時より演出や内容もしっかりしており、単なる内輪向けでは留まらない雰囲気でとても楽しめた。それと同時に在学時にこれくらい取り組みたかったというもったいない気持ちもあったりした。

で、その中で先生や後輩、唯一の同級生らと幾らかやり取りした。最近構想している「防音作業場での専念」を早速話したりもしたが、やはりそれで食っていくのは難しいとも改めて感じたりもした。

単に環境を実現させ、売れるかどうかわからない自分の制作を行うだけでは、「夢」は短期で終焉してしまうかもしれないし、会社を辞めるときにも周りを不安にさせる。自由に始める時は、だからこそ明確な方が良い。

そう考えている中で、今回のやり取りで「よし頑張るぞ」と意気込む気にさせたのは、ミキシングやマスタリングについてである。今年に入ってようやく自分のミックスがいい方向に向かいつつあるのを感じている中で、自分以外の曲に挑戦する機会を伺っている。
例えば、10年くらい前の音楽雑誌に付属しているCDで、当時行われた「ミックスコンテスト」用の音源がある。その例として5-6名の方が実践されたミックスがあり、それを聞き比べるだけでも音の違いを感じることができた。しかしそう比べてみると、「自分だったらこうする」ミックスに近いものがあっても、そう納得できるものはなく、自分でやってみるとだいぶ変わるかもしれないと思わせた。まだ自分ではやってないが、ミックスでも自分の表現ができるようにやってみたい。

一方自分の曲のミックスもいい方向に向かっていると書いたが、自分なりのちょうどの正解に到達するにはまだ時間がかかるかもしれない。
あらかじめ制作初期に音源を残しておくことは重要で、ミックスを繰り返すうちに成熟したと感じその時納得しても、初期の頃の音源と比べると明確さや荒削り感が失われていて、「初期の方が良かった部分もある」と感じる時もある。試行錯誤すればするほどそういうドツボにハマってしまう。
「車のスピーカーでミックスを調整する」、「マスタートラックにマキシマイザーで音圧を上げて、その状態で聞こえやすいように調整する」など色々試みて、確かに正しい感じには近づいているような気はするが、それでも何かちょうどハマる感じではないという細かな違和感が残っている。
(来月に続く)