



(2020年作品)
世界が混乱した中で、確かに様々な未来を考えたアルバム
2020年の作品だが、2020年と言えば世界的に流行した感染症の存在が大きく、自分的にはこのアルバムの発表手段の変更を余儀なくされた。本来ならこの年の中盤に行われる予定だった「音けっと」で発売する流れで合わせた制作をしていたが、4月にイベントの中止が決まり、あと去年まで卒業生として参加していた母校の学園祭も結局開催されず、このアルバムの販売も不透明になってしまった。
で、結局このアルバムは年末に自分のYoutubeにとりあえずジャケット込みで動画で公開した流れだが、この文章を書くにあたって自分のtwilogを確認したら他の活動も含めてそこそこ詳しい動きを確認できたので、せっかくなので2020年を月毎に振り返っていく。
音楽制作用のイヤホンとしてShureのSE215を購入。見た目もカッコよかったし音もまぁまぁ良かったし装着感も良かったので数年間活躍した。でも中華イヤホンを色々使っている今となってはちょっと明瞭感が足りないなぁと思う。
EP「Lost Techno Man EP」公開。この前後くらいから海外だけの問題と思われた新型の感染症が徐々に日本に近づいてくる。
6月に開催予定だった音けっとの開催告知。この時点では「問題が収まっていれば敢行、続いていれば自粛」と可能性は半々だった。
アルバムの状況は、とりあえずジャケットが微調整する以外はほぼ完成。
一方でDTM制作者を対象にしたコンピレーションの募集があり、テーマが「Future」とまさに今僕が作っているアルバムだったので参加表明した。
緊急事態宣言が発令され、その数日後に音けっとの開催中止が決まり、以降CD販売の機会が数年途絶えることになる。緊急事態の時期でも物流の仕事は意外と普通にあり、仕事前後の移動中でもマスクをつけるようになった以外はあんまり変わらなかったりする。
曲の長さリストを公開しており、ほぼその時点で調整とマスタリング以外決まっている様子が窺える。まぁ元々6月完成予定だったし。
自分がtwitter始めてから10年経ったので振り返り記事を書くなど自分なりの祝福をする。
この時点で制作中の曲リストも公開しており、英語タイトルは確定、日本語タイトルは決まってたり後に変更されたり決まってなかったりと、自分のこだわりが形成される様子が見えてますね。
家のテレビが急に壊れたので買い替える流れで、4kでネット対応のテレビを買った。youtube見れたりTVer見れたりが本当に便利で良かったと思う。
アルバムは裏ジャケットが決定。
3月に募集してた企画の作品が公開。当時はダウンロードページもあったが現在は消滅しており、youtube動画では作品が残っている。
アルバムはディスク画像が決定。
ぼちぼち作品公開に向けた段階の時期(10月末)に、2020秒の曲という企画が出てきてそっちに集中することに。33分半ですよ。
そんな感じで2020秒の方を完了させて、年末の仕事の忙しさもありつつ、何とか31日にアルバムを動画形式で公開することにこぎつけた。
という訳でギリギリ2020年作品でyoutube公開したが、作品の内容にはそこそこ満足していても仕上がりには悔いが残る結果になった。なぜなら、Ozoneの自動マスタリングからさらに加工や調整を繰り返したのでごちゃっとした感じになり、「もっとどうにかできたはず」と感じる仕上がりになってしまった。年末にギリギリやったので時間が無かったと言える部分もあるが、やり方自体を間違えていた部分もある。
そんな訳でbandcampやCDでちゃんとした形式で公開する時ははマスタリングをやり直したいと考えていたが、2-3年後の段階でもまだ感染症の問題は終わっておらず音けっとも沈黙のままだったので、仕方なくこの時点ではbandcampに当時のマスタリングのまま公開となった。
2024年1月に音けっとが再開する流れになり、このタイミングに合わせてようやくFutureを再マスタリングしてCD化している。当時の最新作「Position」に準拠したやり方で、2020年の音源を弄る難しさはあったが、少なくとも当時よりはマシと言える仕上がりはできたと思う。
で、どうしようかなと思ったのは再マスタリング版のネット公開で、旧時代に既にaudiostockで販売している曲があるのでややこしいと思いサブスク化はせず、bandcampで公開する事に。旧と新を両方公開する案もあったが、音源差し替えができたのでそれで新バージョンで公開している。旧バージョンは2020年当時にアップした動画からどうぞ。
1曲目「Warnning Call」は久しぶりにちゃんと作ったOP曲。タイトルはモーニングコールとかけており、邦題もそれを踏まえた感じにしている。2曲目「Artificial Challenger」は冒頭は70年代の電子音楽っぽさを意識しつつ、以降は曖昧さで展開する未来世界の音楽。3曲目「Public Meeting」は制作初期にフレーズだけ作って埋もれていたが後の再調査から発掘し、フレーズを繰り返すテクノに発展できた。4曲目「Control Center」はトランスのリズムで展開する未来音楽。14th「Message」のMore Clearみたいなポジションの曲。
5曲目「Time Waves」の邦題の「迫時」は造語で、「緊迫時」ほど明確でも強くもない感じで表現しようとした。はくどきと読ませるつもり。6曲目「Information Announce」は楽器屋で中古のスピーカーを買ってそれで聴きながら作った曲。そのスピーカーは結局使いにくさで長続きしなかったが。7曲目「Social Network」からダークな雰囲気の曲の流れで、コツコツと展開するテクノ。8曲目「Codegame Age」もダークでロボットゲームっぽさを意識したテクノ。他のアルバムやEPなどでも出てくる「〜 Age」はたいてい暗さを意識したシリーズ曲になる。
9曲目「Active Mind」は元々別のレーベルで公募していたのに合わせて作った曲。もちろん採用されなかったが、自分は会心作だと思ったのでこのアルバムに使っている。送った時の曲名「Temporary Concentration」から変えているのは、決して送った事実を隠したかったわけではなく、自分のアルバムでは英語と日本語の両方の曲名を用意しているので、その両面があることを前提にしたタイトルで、英語ならよりわかりやすい感じにしたかったから。公募時の曲名は日本語タイトルの方で使っている。
10曲目「Partner」は制作時にイメージしたシンプルなフレーズから作っているが、試行錯誤して何とか大作にした模索的なテクノ曲。11曲目「Message for Future」は、元々前作でMessageとして出そうとした曲。8th「Square」のMirageのように大作アンビエントを目指したがそこまでには至らず一時的に没になっていた。その後10曲目の後の繋ぎなら使えそうと思い、前作と今作を繋ぐような曲名にした。
表ジャケットはphotoshopを使って様々な街の写真を組み合わせたもの。写真をこんな感じで組み合わせるのは自分の中では挑戦的だったし、その後のアルバムも似たような写真の使い方が続いていく。文字はそんなグラフィックに反して小さめの配置にしたが、今思うとやはり小さいしわかりにくいのでもっと別の方法を考えたくなる。裏ジャケットは前作のディスク同様、母校の専門学校でVJ実験をしていた風景を撮影したものを使っている。珍しくほぼ加工なしである。ディスク盤面は神戸の商業施設のところから角度を変えて鉄道っぽい感じにした。今作のグラフィック表現は表ジャケットの文字表現以外は自分でも満足している仕上がりだと思う。
前作「Partner」があまりにも地味だったこともあり完成後早い段階で制作に取り掛かり、原点回帰も狙って未来世界を意識した方向性で頑張った。しかし近年の煮詰まり感からは脱却しきれず、また後年マスタリングをやり直していることもあって、スッキリはしない制作になった。実際、制作年の振り返りではやや微妙に総括している。
そんな感じで近年の作品と比べるとMessageやApproachの方がより純粋で薦めやすいという微妙なポジションだと思うが、初期〜中期で好んでやってた青色の未来世界を近年は前面に出さなくなった中でのこの作品はそれに取り組んだという意欲作という形になっているか。微妙という振り返り方が多くなってしまったが、マスタリングをやり直したことで制作時のモヤモヤは少し解消したし、グラフィック表現や多くの曲は優れているし、基本的には良いアルバムと言っていい作品である。未来音楽のロマンを上手く表現できる感じで今後も頑張っていきたい。
このアルバムからベストアルバムに入れる曲を選ぶなら、
Codegame Age→未来的な雰囲気を前面に押し出したアルバムではあるが、意外とダーク方面もアピールできているということでサプライズ的選出
Active Mind→前述の通り公募に挑戦したことがあるくらい独立性があるテクノ
Artificial Challenger→もちろんこのアルバムらしい曲も候補には入ってますよ
2025/4/26